「Seven Sisters」と聞いて何を思い浮かべるかは、人によって千差万別か。ノオミ・ラパスの1人7役で話題になったヘンな映画?知性派な諸兄はギリシャ神話?はたまたプレアデス星団?
俺の世代のボンクラ中年野郎には、同じ映画でも「Quadrophenia ~さらば青春の光~(1979)」と即答して欲しいもの。

遥かに見えるは「Beachy Head =ビーチ―岬」の灯台。映画でベスパが走っていたのはあっちの方。実際自殺の名所
生涯忘れ得ぬラストシーン、ヤク中の主人公がベスパごとダイブする、あの“世界の果てがあるとしたらこんなカンジ”然とした白い崖。あれが、イギリス南部イースト・サセックス州の景勝地「Seven sisters」である。
数年前にテレビの仕事でイギリスに行ったついでにロケ隊と別れ、「イギリスROCK関係聖地巡礼」を勝手に挙行した際、当時ロンドンに住んでいた特派員“Coffy”を誘って行ってきました。
海外旅行通の方のブログや観光業者ブログを見ると幾通りかの行き方があるようですが、我々のチョイスは「ブライトン駅からバス」のコース。

ブライトン駅。イギリスの基本、駅が立派(あと電車がカワイイ)
Brighton!またしても“ROCK聖地”な名前が登場。初めて聞いたのはストレイ・キャッツ「Rumble In Brighton」ネ。前述「さらば~」でも印象的に映っていたPier(桟橋)のある海沿いのカワイイ街。でも俺の印象は「常に喧嘩ばっかしてる若者たちが住んでる街」。
南の方に向かう電車に乗るには「London Victoria Station(ヴィクトリア駅)」で待ち合わせ。わかりやすいタッチパネル式の券売機で切符を買っていざ、ブライトンへ。

ブライトン駅前のバス乗り場。街がカワイイ…A級観光地の貫禄
ロンドンから郊外の田園風景など眺めつつ、1時間弱走って着きましたブライトン 。
か、カワイイ…過酷に決まってる崖歩きなんかやめてココで1日遊びたい気持ちを抑えて駅前のバス乗り場へ。

1日乗車券はこんな昭和の香りのする切符
Coffyが買ってくれたワンデイ・パス的な切符はスクラッチカード風なやつ。降車する停留所は「Seven Sisters Park」。乗るバスは12番(または12Aらしい)。

興奮を抑えきれない、憧れの桟橋。これを右に眺めながら一路、崖へ…
駅からまっすぐ坂を降りて例の桟橋を左折、あとはしばらく海岸線を走ってウトウト(やっちゃダメ)…あっという間に到着。

バス停近くの「ビジター・センター」。無人(マジ)。必ずトイレに寄っておくのを推奨する。ないから
シーズンのせいか、無人。バス降りてすぐ見える、洒落た煉瓦造りの「ヴィジター・センター」も無人…とりあえずトイレを済ませて「多分アッチ」という方向へ歩き出そう(初心者はやっちゃダメ)。

coffyが指差しているオレンジの線を歩こう。右の赤い方には行かないほうが無難
道路脇にいまいちカユいところに手の届かない案内板があったので、我々は迷わずに行けたものの、この地図の右の方行っちゃった人は全然辿り着けないらしい。要注意。

こんな景色を左に見ながら延々川沿いを行く。日本人にはすでに非現実的な風景で、心の準備ができる
絶対に日本では見かけないようなだだっ広い平原(湿原)にゆっくりと流れる、何て言うのだろう“小川(普通だ)?”沿いに歩く事数10分、あきらかに「アレがビーチだ!」という雰囲気になって来るので突き進む。思ったより崖まで遠いけど、放牧の羊・飛来する白鳥・強風でなびいた形のまま固定された木々など、無闇に郷愁を誘う哀しい景色でまず飽きることはないと思う。

崖下。「カックミア・ヘヴン」到着。もうすでに何を見てるのか分からなくなる
足元がジャリジャリして転びそうになったら崖下に到着。「Cuckmere Haven(カックミア・ヘヴンかな?読み方)」というスポットらしい。
「ホントにあった!」

崖ももちろんだけど、海もおかしい。トロみすら感じる乳白色
この辺の湿地帯を散策、自然を満喫して、崖を眺めて帰る人もいるというから驚き。
我々は「登って、覗き込む」のを主眼としていたので、ヘヴンな眺めもそこそこに急勾配の坂道へ突撃。
登った後の絶景と、その後の過酷な道中(長かった…)は次回!
◉野磁馬
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