NO UFO, NO LIFE (Part2) 〜「UFOふれあい館」で神秘と“ふれあう”〜

やってきました飯野町「UFOの里」。怪光はサービスで
日本ローカル旅

自称“全国有数のUFO(怪光)目撃地帯”福島県福島市飯野町。2019年末には福島テレビの取材Vに怪光が映り込んで「やっぱりか!」と話題に。

町のシンボルである「千貫森(という山)」は綺麗な円錐形をしており古代ピラミッド説アリ。これと磁場とUFO多発の関係は結局どう説明されてもピンと来ないが、「ああ、あるかも」と思わせるパワーは山体からビンビン感じ取れる。

「UFOふれあい館」全景。結局、町の“マジ度”を確認するためのロングドライブ。結果マジじゃん、飯野町

その麓にあるのが今回の目的地1「UFOふれあい館」!もちろんUFOの形(こんなUFOは見たことないけど)。

平日昼下がり、来訪者は俺と地方の女子大生と思しい2人組だけ。あんまり人がいても「何かあったのか?」と不安になるけどね。まずは入ってみよう。入館料400円。受付にいた紳士がおそらく館長さんと思われ(お姉さんのガイドがいる日もあるという記述も発見)る。

受付後ろのユルい展示。グレイ達に混じって、右端のE.T.が居心地悪そうに俯いている

早速「東京から1人で来ました」と言って好印象を与え情報を引き出す狙いだが、この時はあまり乗ってくれず(そんなの何千人もいるのだろうし)。

ズラリ並んだ芸能人のサイン色紙。こんなもん(失礼)よりも、その陰に隠れた、創刊号から揃っているという「ムー」をこそフィーチュアすべし

入口脇には創刊号からそろっているという「ムー」。それらを覆い隠すように飾られた芸能人・著名人のサイン色紙。

入って正面に日本UFO研究の第一人者、荒井欣一先生寄贈のライブラリー、さらにガキの頃図書室でお世話になった小学館やポプラ社のアヤシい図鑑系多数…もしベンチなどあったら展示室に入る前にここで数時間使っちゃうこと請け合い。

職業柄気になって仕方ない「ミステリーゾーン入口」。リニューアルの際には是非当工房に…

右手男子便所の横に電飾が中途半端な「ミステリーゾーン入口」を発見。

中に入るとUVライトの通路。小生のような模型&特殊美術家だとややコメントに窮するジオラマなどが陳列。

ミステリーゾーン内、妄想の千貫森ジオラマ。背景パネルに貼っているのはナメクジなのかUFOなのか判別できず

やる気のない高校の文化祭のような“平熱感”に郷愁を誘われながらメインのUFO展示ルームへ。

今でいう「インスタ映え」スポット狙いの黄色いエイリアンがお出迎えしてくれるが、執拗に「触るな、触れるな」と注意書きがしてあり、「ふれあい館を名乗ってるのに全然ふれあえない!」とストレスを感じつつパシャ。

展示コーナーお出迎えの黄色いエイリアン(アンタッチャブル)。それなのにコイツともまた別種のゆるキャラなどもいて、もうカオス

隣のベンチに座っても写真を撮ってくれる人がいないのが寂しいが。

まずはザッと一周(10~15分)。

特筆すべき展示はやはり「千貫森ふしぎライン」の解説と「CIA秘密文書」!

うわヤバい。今晩旅館にアノ連中が来ちゃうよ!こんなの見たら

「ホントにあった!」

人がいないので改めてゆっくり眺めたが、もう少し客に優しい展示を求めたいところ(文書は拡大するとか)。

CIAのヤツなんて肝心の文書の中身が重なっちゃってよくわからないという残念さ。それぞれの展示パネルは老眼の客向けにも、もう2回り大きく出力をお願いしたい。

ちょっと業者的には許せないものがあるエイリアンズ。 各人名前がついているが、どう見ても同一人物…

「しかし秘密文書…正しくは“機密”じゃないのか?」などと余計なことを考えながら平成以降の新情報に乏しいパネル群や脱力系エイリアンズなどを眺めていたら、館長さん(多分)と思われる紳士が「3D映画は見ますか?」と声をかけてくださった。

即答で「お願いします」と、後から来た女子大生2人と一緒に贅沢な環境で拝見。

全国の目撃情報が「平成17年川俣事例」で止まっているのが少し悲しい。是非昨年のご当地事例を入れていただきたい

あまり気持ちよく飛び出さない3Dだったけど、なるほど「千貫森のふしぎライン」のいわれなど良く分かり、観賞後もう1回あのよく分からないマップに戻りたくなる仕組み。

個人的には「古代日本の巨石信仰」などにUFOを絡めていくなら、アメリカのUFO資料よりも「うつろぶね」などの古代日本モノをもう少し厚くすればいかがか、とマジ余計なお世話を焼きたくなったものだ。

この辺を厚くしてほしい。しかし、俺のような老眼の来館者にどこまで近づけと言うのか、この年表

もうひとつ、この施設での「UFO」は当然のように「ALIEN SPACECRAFT 」に断定しているようだけど、そこはどうなのか。俺などは“UFO=宇宙人の乗り物”に堕している現状のUFO論説の深みのなさに日々嘆く老害マニアで。

だってそう限定しちゃうと、UFO多発地帯と「北朝鮮」「原発」の関係といったコクのある要素がこぼれ落ちてしまうような気がして…

「UFO問題は、宇宙ロマンなんかじゃない!」と誰に向けてか知らないけど言い切っておこうかな。

物産館デッキからの“高村光太郎的”展望。安達太良山は霞の中。
画像左奥がイチエフ方向

とか不満ばかり言いつつ、ここでCIA秘密文書も見ちゃったし、帰投後数日MIBの影に怯えたことも告白しておく。

「うん…まあ、こんな所だろうな…」というなんとなく満足しきれない感じも多分、俺のようなマニアじゃない家族連れなど一般客的には程よいのかもしれんね。

千貫森の展望台へ続く「UFO道」。道脇にはキラキラネームのエイリアンズが。 コイツは「メイラ」

最近の、モノを知らない子どもならここを入口に帰宅後UFO・オカルト研究を始めるかもしれないし(無いか)。

まずは「ふれあう」事からという意味で、意義のある資料館だと思う。このご時世大変かと存じますが、ずっと続けてください。

施設を出たら裏山に登る「UFO道(こういうセンスは悪くない)」。

さらに道を挟んで「UFO物産館」。

「UFO物産館」中。
イチオシのアゴだし「トビウオラーメン」はツウも呻る本物の味

売りの「トビウオラーメン」はUFO見ないでこれだけ昼に食べに来てもいい逸品。

そして、同施設内売店にはマニア垂涎マストバイの「NO UFO, NO LIFE」Tシャツが!俺、実はこれ買うために行ったようなもんで、是非他所では売らないで欲しいモノ。

ココだけやけに“代理店臭”濃厚なTシャツ売り場。
サイコーカッコいい。オススメは画面外、ネイビー&イエロー

デザインも良く、思ったよりカラーバリエもサイズも多く、ここだけヤケに都会の代理店介入感が強いが、生地もしっかりしていてお土産にも(チトお高いですが)サイコー。

売店のお姉さまに「あらあら、こんなに買うんですか?まあまあ…」と含み笑いで見送っていただき、ハーフ満足で施設を後にした。うん、いい。

有事の際にはいつでも飛び立てそうな外観。色々、ちょうど良いのかもしれない

皆様は行っても行かなくてもいいと思うけど、周辺に最近めっきり減った“UFO通、オカルト語り”の知人・友人が居りましたら「あ、飯野行ってないの?」と一応挑発しておいていただきたいと思います。

ヌケのやたら立派な農家が気になるが、グレイに見送られて次なるミッションへ。満足!

さて、ここからはミッション2つ目。「怪光目撃情報多発地帯」と何らかの関係性を感じずにはいられない福島第一原発に、現在どれだけ近づけるようになっているのかを確かめに、海方面に向かって走り出す。

MIBより緊張しつつ。

◉野磁馬