“聖地中の聖地”リバプール巡礼(Part1) 〜Dockで♪Watchin’ the tide, roll away♪〜

聖地の中の聖地リバプール、マージー川。 マージービートで歌わせてもらえるなら、どのナンバー?
聖地巡礼

カテゴリーに“聖地巡礼”などと謳ってるけど、今ではコレ、もっぱら映画・ドラマ・アニメに登場した街やロケ地を巡る旅の事を言うのが主流か。
もうひとつ、俺がさすらい旅でつい重きを置いてるのが「ロック聖地巡礼」。

一体どれだけのヒト・モノ・カネ・カルチャーがここを行き来したのだろう。
港に来ると常にロマンチック・モード

これらに、原義の宗教聖地や偉人の生誕地まで加えたら世界中ほとんどの国、街が何らかの聖地になっちゃうんだけど、それはそれとして旅の醍醐味。
そんな聖地の中においても、この街ほど「聖地」感に満ちた場所もないのではないか。多分そう。

リバプールのHMVのウインドウはやはりこの4人。
多分永遠にそうなのだと思う

イギリスの旅、今回は世界中のロックファン(絶滅危惧種)の聖地、“みんな大好き”「Liverpool=リバプール」(ここはあえて“ヴァ”でなく“バ”で通させていただく)!
リバプール…呟くだけで、もう胸はキュンキュン、口中は甘酸っぱい味でいっぱい。聞こえてくるのは船の汽笛かマージービートか。

え?「竹内ま●や」?…衿なしスーツで出直してきてください。

歳をとるほどに、背広時代のビートルズのカッチョよさが解ってくる。楽曲も最近はもっぱら初期

リバプールには「Liverpool John Lennon Airport =リバプール・ジョン・レノン空港」と言う信じがたい名前の空港もあるが、ヨーロッパ圏のLCCが主に就航していて、日本からは直接行けないのでロンドン経由になる。
この時の俺は、これまた(フットボールファンの)聖地マンチェスター、旧紡績工場跡での番組ロケ中だったのだが、近くにリバプールがあるので朝から気もそぞろ、ロケ隊にゴメンして一足先にリバプールへ向かっちゃうという愚挙に(干されるぞ、そのうち)。

マンチェスター市庁舎。威圧感凄い。
この日は中庭で「オクトーバー・フェス」的な祭りが行われており、危なく居座りそうに…
ダメダメ、リバプールへ!

そんな事情で俺はマンチェスターから鉄道で入ったので、ロンドンからの行き方はご自身で調べてみてネ(多分直通、1本)。
マンチェスターの主要駅は「Manchester Piccadilly=マンチェスター・ピカデリー駅」。巨大。

「マンチェスター・ピカデリー駅」。デカい!
モダンで、産業革命臭は希薄だが、とにかくデカさにたじろぐ

帰国してから知ったのだが、もうひとつの大きい駅「Manchester Victoria=マンチェスター・ヴィクトリア駅」からはリバプールへの直行特急列車が出ていて、半分くらいの時間で行けるって…(予習せよ)。

この日はロンドンから来る特派員Coffyと待ち合わせだったので、ピカデリー駅から出発にした。マンチェスター空港から来るノーザン・レイルの「Liverpool Lime Street =リバプール・ライムストリート駅」行きの電車に乗って小1時間。サクッと到着。イギリスは駅がデカいなあ…どこ行っても。

到着したのは「リバプール・ライムストリート駅」。
これまた巨大!イギリスの駅は全部映画のロケ地みたいだ

リバプールといえば港。何はともあれ「Royal Albert Dock =アルバート・ドック」にGO。

海からマージー川を通って運ばれてきたのはヒト・モノ・カネ以外に様々な文化も。港町リバプールに集まる外国文化の中で、とりわけアメリカのR&Bやソウルなどの黒人音楽にガツン!ヤラレちゃった田舎者のひとりがジョンやスチュであり、ポールだったというわけ。この辺は教科書にも載ってるらしいから(未確認)割愛。

とりあえずこの少女たちについていった。ベビーカーの中は全部人形でビックリ!
流行ってるんだろうか、コレ…

駅を出たら正面方向が港なんで、ほとんどの道がマージー川に向かって下っていく。どれを行ってもドックに着くんだけど、この時は駅前の「ライム St.」を左に歩き、2本目の大きい道「ランラー St. 」を右折して下ることに。

「ランラー St.」から真っ直ぐ「ハノーヴァー St.」へ。いわゆるワクワク通り。
寄り道しているといつまでたっても港に着けない

ざっくり地図で見れば、ここから繋がる「ハノーヴァー St.」をまっすぐ行けば、お目当の「Royal Albert Dock =アルバート・ドック」のまん前に出るはず。商店街だしデカいモールやカワイイお店も多いので楽しみながら行くのがイイ(下り坂だからか、ホント心が沸き立つ)。

もうこの辺りから駆け出したい衝動と闘うのに苦労する。気分はもう中坊

到着。貿易港といっても川なので、磯臭くはない。などと冷静を装っていられず、思わず大通りを駆け出す危険なボンクラ中年でありました。

「アルバート・ドック」。船はここから水門を通ってマージー川に出る

「ホントにあった!」

「アルバート・ドック」はリバプールの象徴ではるけど、ビートルマニアの聖地は特に無い。後から作った銅像や観光名所狙いの「THE BEATLES STORY」があるのみ。もちろん入ったけど、資料性はソコソコかな。俺的には「NEMS」やブライアン関係がたっぷりで面白く見られる。まあ、再現なんだけど。

ヤケに有名な船たちが並んでいるドックを見ながら、「THE BEATLES STORY 」を覗きに行く

ビートルズにちなんでいるものもいないものも、ドック周辺は歴史を感じさせるものばかりでとにかく楽しい。

貫禄は遺跡級のポンプハウス。
ここら全体が英国「Listed Buildings =保護対象建築物」グレード1

唐突でやや引くけど、放ってはおけない「International Slavery Museum =国際奴隷制博物館」も、同じ施設内なので覗いて欲しい。こちらは資料性も高く、リバプールに居る自分に興奮して熱くなりすぎたハートを程よく冷ましてくれた(正直、相当凹むんだけど)。

世界の観光客御用達「THE BEATLES STORY」入口。
多分ビートルマニア的には「ふ〜ん…」だと思う展示

ここからの流れで歩いて行ける、とてもロック魂とは無縁の商業施設「Hard Days Night Hotel=ハードデイズナイト・ホテル」の悪口や、本当の聖地「Mathew Street=マシュー・ストリート(別名:ビートルズ・ストリート」の話は別項で。

◉野磁馬