シツコく続ける「北朝鮮をただ見に行く旅」!「烏頭山統一展望台」で分断の歴史に想いを馳せたら、次は少し遠出して「江華平和展望台 =강화평화전망대(カンファピョンファチョンマンデ)」へ行きましょう(別に巡る必要はないが)。

地図で見るとこんな感じ。オドゥ山よりも低地にあるので、より渡れそう感は強いが、何しろここは海である
こちらは仁川・江華島のド僻地なため、“より辿り着きづらいので達成感も大きい”というマニア特典アリ(そんなマニアがどのくらい居るのかは不明)。

展望台外観。やや昭和臭強めではあるが、僻地にあるため「ああ、たどり着いた!」感は半端ない
同じトニル祈願系の施設だが、オドゥ山よりもそのムードは若干軽め(北の学校の再現セットとか物産展とかそういうのは無い)で、やや軍事施設寄りの雰囲気。

こんなものもこれ見よがしに展示してある。ソッチが好きな向きにも対応
見える北朝鮮はパジュよりさらに寒村だし、コッチ側(韓国側)の景色もアッチと見まごうばかりの寒村。その“どっちもどっち感”も楽しみの1つと考えておきましょう。
とにかくココは北が近いのがウリ。

またしても曇りに当たった…寂れ果てた雰囲気と相まって異様に物悲しい
“爆音で互いの国の歌を流す悪習”も例の南北会談(なんかコロナ禍で、えらく遠い昔の事のようだ…)以降はしていないらしいから、今なら多分もっと静かに物悲しいはず。我々が行った時には北朝鮮歌謡が大音量で流れていてドッチラケでした。

スカーンと晴れていれば何か物凄い山並みが見えるらしいが…
間にあるのはもうイムジンガンやハンガンじゃなく、海ね。
ソウルから行く場合、新村や永登浦から延っ々バスとか複数ルートあるらしいが、我々夫妻の地味なチョイスは…
ソウルから空港鉄道か地下鉄乗り継ぎでコマム(검암)駅へ 。駅を背にして左奥、高架下からエレベーターでバス乗り場へ出ます(コレが見つからず捜索30分以上、ホントに不親切!)。江華バスターミナル(これまた凄いトコ)へ向かいます。

たどり着いたらそこはド田舎。「江華自動車ターミナル(って書いてあるよね?)」外観。
こういう独自の発展を遂げた謎アジアンな風情が韓国田舎の醍醐味
そこからはバスが少ないのでタクシーに乗って「ピョンファチョンマンデ」と呪文を呟いて30分(キサニムによって絶対所用時間違う)。

「カンファポストミノル」の様子。降りた瞬間、「なんでこんなトコに来ちゃったのか…」という後悔に苛まれる事請け合いの枯れたムード。住民の目線もキツい気がする
しばらく、なんとも荒涼とした寒村の景色の中を行くと、キサニムが「ホラ、もうあっちは北韓だよ」と教えてくれました。ああ、寒い…
「ホントにあった!」

車窓からの風景。「北朝鮮を見るツアー」の中ではダントツ1位の物悲しさ
板門店からはずいぶん離れつつも、オドゥ山よりもなぜか軍事色が強めに感じるのは例の「延坪島 =연평도(ヨンピョンド)」に近いからなのか…?

展示も、なんかこんなのばっかりで気が滅入る事請け合い。
これは北朝鮮グルメの「記憶アカデミー」と思われる。なぜその食材を調理しないのかは不明
まあ、ココはコレで「初めて見る景色、初めて感じる旅情」という意味では満点の観光地(なのか?)です。

江華島はデカい。ここ以外にも、程よくしみったれた、普通の人にはどうでもいい観光地も多いのでオススメ。
しかし、これから色々将来を考えている恋人同士とかは来ない方がいいです(パジュ行け)
”ソウルに飽いた諸兄に“というテーマで始めたはずの見聞録ですが、正直言ってこんなトコ行くのは相当韓国の楽しいトコを満喫してからの方がいいでしょうね。

俺は“共産・社会主義プロパガンダ美術”の大ファンでもあるので、こういう展示に出会えるだけでニコニコ
「残るはヨンピョンドか!」と息巻いていたが、船しかない為さらにアクセスが悪そうだし、「苦労して行っても何も無い」「海すぎて肝心の北がモヤりがち」という後ろ向きなレポートも多数…
そもそもアソコは爆撃されているワケだし、さて、どうしたものか。
◉野磁馬
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