当ブログのカテゴリ的には、本来“ニュースな旅”に分類されるべきアメリカの首都、ワシントンD.C.だが、ジョージタウン・プロスペクトSt.にあるたった1つの施設のために、あらゆるニュース現場や歴史現場を差し置いて勝手に「聖地巡礼」とさせていただく。
それがあの階段、通称「エクソシスト・ステップス」ネ。

見てみ、この急勾配。スタントマンは何テイクも落ちたらしいが、全身の力を抜いて自然に任せる“禅”スタイルで怪我もなく生還したという(ホントかよ70年代)
俺のオールタイムベスト映画、時期によって順位変わるけど常に3位までには入っている、世界中知らぬ者の無い不朽の名作。「エクソシスト =The Exorcist (ウィリアム・フリードキン監督:1973製作、74年日本公開)」の撮影に使われたあの怖い階段。現存。
コンクリ造りの75段、ほぼ垂直。
老若聖職者コンビと、アメリカ少女に取り憑いた太古の悪霊パズズとの死闘を描いた、映画史に燦然と輝くあの大傑作が撮られた場所となれば、神父だけに当然「聖地」呼ばわりが似合うかと存じます。

余談だが、映画冒頭でメリンが掘り出すパズズの頭、本物をロンドン・大英博物館で発見!
エクソマニアは世界中どこでも感激できる
何しろあの首都ワシントンだから、どこから行ってもちゃんとたどり着けると思うけど、そうね…どこか有名観光地から「ジョージタウン大学」を目指してタクシーが良いんじゃないかな。地下鉄の駅も遠いし(大学バスは先生と学生しか乗れない)。
俺の場合は予習不足で思い出したくもない苦行だったんだけど、キャピトル・ヒルに近いペンシルベニアAve.の、今は亡き(2019閉館)「NEWSEUM =ニュージアム」から無謀にも徒歩で行っちゃった。

またしても余談だが、「ニュージアム」閉館はマジで惜しい。トランプ政権下での閉館というのがまた凹む。
願わくば多少規模縮小しても他所にちゃんと残して欲しい(特に殉死したジャーナリストのエリア)
ワシントンD.C.は凄くお散歩が似合う街なので、つい。45分くらいかな?全くオススメしない。

プロスペクトSt.3600に現存する「マックニール家」。メリン到着時の、ポスターにもなった街灯とあの窓はセットだった。
ブアマンの「エクソシスト2」では全部セットだった
プロスペクトSt.には、マックニール母娘が住んでいたあの家(階段上のリーガンの部屋部分は、庭に建てられたセットなので現在は無い)も現存している。
「ホントにあった!」
なので大学の方から来て、階段を降りていくのがいいかと思うけど、キンダーマン警部よろしく下から登っていきたいという諸兄は「Mストリート」から行こう。ダイアー神父が瀕死のカラスに“最後の告解”を行なったあの場所を通って。

見上げるとこんな感じ。翌日明るい時間にも行ったが、この急勾配、ジョージタウン大学のマッチョ学生たちの格好のトレーニング場と化している。
映画ラストの(「蒲田行進曲」どころじゃない)とんでもない階段落ちを撮影した際は美術さんが全ての段の角にゴムを貼ったと伝わってる。カラス神父役のジェイソン・ミラーは「俺じゃなくて良かった」と言ってた。
そういえばこの「エクソシスト」、カラス神父もメリン神父も、バーク監督にキンダーマン警部、原作のブラッティおじさんも皆、鬼籍に入られたね…公開から47年が経ち、元気に生きているのは(やっぱり)女性陣と、(やっぱり)1番悪魔的で図太いフリキンだけというのも、いろんな意味で感慨深いものがあるな…(2020年現在)。
D.C.に再訪したら、ココだけじゃなく、劇中映画の撮影地(キャンパス内)や、その後クリスが1人で現場からバレて(業界用語)そぞろ歩く落ち葉の歩道、マリア様が汚されたあの教会などなど周辺にある“聖地群”を、もう1度ゆっくりと巡礼してみたい素敵な街、ジョージタウン。
◉野磁馬
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