なぜだろう。いまだにうまく言語化できないが、世界中どこでも発電所があるとつい引き寄せられてしまうこのココロ。エナジープラントだけに本能的に「充電」しに行ってるわけでもなかろうが。
そんなわけで、発電所巡り(あえて巡ってるわけじゃないけど)のシリーズ第一弾。それはもう日本人なら誰もが真っ先に思いつく「東京電力福島第一原発」から。
フクイチは当然我々全く近寄れなかったので、初めて訪れたのは発災から結構経った2018年。当時携わっていたテレビ番組の、『方々に避難していた富岡の子らがようやく地元の学校に戻る』というタイミングでの中継。さすが公共放送だと地方もマンパワーが充実しており、ド田舎の生中継などもお手のもの。セッティングもサクサク進行、小生みたいに特殊スタッフはロケスケにちょっと時間が空いたりするもので。
その時間を使って、“大っぴらに人には話せない方法”で周辺の「帰還困難区域」との境界など巡らせていただいたわけだが、ダメもと「ほう、大熊ですか…では、フクイチはどの方向になりますかねぇ」などと水を向けると、「……行ってみますか?」の返答。「それは是が非でも!」で見せていただいたのが最初。
良い子は真似しちゃダメなやつネ。そのころ大変な話題となっていた汚…いや「処理水」のタンクがものすごい勢いで建っている頃で。
旅先で突然訪れるので気が抜けない、「一生忘れない景色」との出会い…
「ホントにあった!」

処理水放出数年前の原発構内。施設がデカすぎて建屋などとても見えない
それから数年、帰還困難区域を貫く国道6号が、我々のようなボンクラライダーでも走ってOKになったのを聞き、今度はオートバイで行ってみた。多少規制が緩和されたとはいえ、流石に多くの方々が懸命に作業をしている施設前などを直接冷やかして、迷惑配信者みたいに呆れられるのは本意じゃないので、ほど近い海の方から観察できまいかとウロウロ浪江町へ(十分単なる野次馬)。

「震災遺構 浪江町立請戸小学校」ここから防波堤に行き数分後、影も形もなかったシルバーのバンがジッと…
前日、富岡の桜並木のバリケードがどうなったか単なる好奇心でジロジロ見に行って、地元の巡回の方に若干怪しまれたので、少し覚悟はしつつ。浪江は海岸のすぐ近くに「震災遺構請戸小学校」があるのでまずそこを見学して海岸に出ようと画策。ピカピカまっさらの防波堤の上(浜省)へ。
ちょっと遠いかな、と思ったがやっぱり見えた(そんだけデカい)。
「ホントにあった!」

人影なし、海風、そして原発。BGMは浜省
無人の海に工事の砂埃に曇天が相まり、突如異様に陰鬱な気分がキて、マジひとりでオッサンが何してんだか分からなくなったので、そそくさと退散。確実にさっきまで居なかったシルバーのバンからの強い視線を背中に感じながら、宮城方面の震災遺構巡りに向かう。
いつか、噂の仙台行きフェリーで海からも眺めてみたい。いや、建屋が見たいのでツアーに応募も視野で。
◉野磁馬

陰鬱。長居は無用
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