韓国混乱中。尹大統領の「非常戒厳」宣布に端を発したスッタモンダ。大統領罷免まで行ったが、未だ国民誰もが「なんとなく」でも収まる落とし所は発見できていない模様。
実のところエセ保守とかに同調してマスコミが流行らせたにすぎない「反日」という言葉がある。基本的には帝国時代の「非国民」などと同義で、「反政府・反体制」の意味で日本人に対して使う言葉だった認識だが、昨今は外国に対して(外国人ではなくネ)一括りに(雑に)使うのが当たり前になってしまった。曰く「反日国家」とか。アホ丸出しだが、便宜上ここでも使うんだけど。韓国の政権は首長が誰になろうが基本「反日」なのだが、言うに事欠いて「尹政権は親日、民主党は反日」だとさ。お疲れス。世の中がそんなにシンプルにできていれば誰も苦労しないよね。テレビで仕事をしていると対半島に限らず、すぐその二元論ワールドに巻き込まれてしまうので、それを回避するために時折脱出して実地で外国を歩くわけだけど。
コロナ前までの安倍政権時は(ヒマだったからか)ソッチ方面が近過去にないほど盛り上がり(その連中は決して保守でも愛国でも親日でもなく単に『嫌韓・反中』という新派だったと記憶)、番組企画でも隙あらば隣国ディスりものを投入していたものだ。韓国政府もよせばいいのに「レームダック対策」ですぐヘンな(下手クソな)銅像とかで実質精算済みの過去を無茶に蒸し返したりと、色々無駄な挑発をやるもんだからしょっちゅうネタに取り上げられて。
その一環で日本大使館前慰安婦像横での「水曜集会(수요집회)」とかを取材に行ったんだけど、あの時のテレビ制作陣の「おもてたんと違う」的表情は忘れられない。寒い中登壇する人権意識高い連中や歌い踊っている学生はマスコミ的に便利な「反日」なんてワードは一切言わないから当然。「日本軍『慰安婦』問題解決全国行動」だから。「軍」だし「問題解決」だから。モチロン安倍を茶化したヘンな被り物とかもあるんだけど、「火病」の連中に椅子でもぶつけられるんじゃないかとビクビク(内心期待)しながら行ったヤツは拍子抜けしたと思う。これのレポートも別稿でしないと。

日本同様、田舎の駅前はどこも同じになってしまう運命。そのクセバス乗り場はやたら分かりにくいので注意
そのテレビ番組でまるで「反日探し」みたいな虚しいロケを終えた後、単身スタッフと別れて「勝手に癒し旅」に。両国のテレビで見る限り「どこかには生息しているらしい」反日分子を一応チラチラ探してはみたものの。ソウルから牙山、光州を怪しげな風体でウロついてみたが「反日!」などと便利なことを言ってくれる国民には1人も出会えずチト寂しかった。※光州の(流しの)タクシー運転手の態度がマジムカついたけど、あれは世界中の人全てにああなんだろうと思う。せっかく映画が大ヒットしたんだからユ・へジンとは言わないまでも、もう少し接客態度をどうにかしろと思う(カカオとかの実情は知らない)。

ここまでデカい韓流建造物だと、何が中にあるのか期待せずにおれない、「キョレの家」
ならばこの際と、みんな大好き「サミルジョル(三一節)」の直前だし、気になっていたこれぞ“反日の牙城(笑)”「天安独立記念館(천안독립기념관)」に足を伸ばした。ぜひ腐った生卵の1つ、パイプ椅子の一脚も投げられてこようと勇んでGO。1号線(もはや首都電鉄でもなんでもない)に乗って、泊まっていた温陽温泉(온양온천=オニャンオンチョン)から5~6駅、天安(천안=チョナン)で降りて市バス(要注意!乗り間違うと着かない)!エキセントリックなお客様たちすし詰め状態で30分…なんで公共交通の中で音楽をイヤホン無しで聴くのか…「独立記念館」は国家予算で運営してるようだし(入場無料)、世界のお客様にも大事なサミルを周知したいなら、是非専用シャトルバスを出して欲しい。

国土に比して国旗の数が多すぎる印象の韓国。タイかよ
「ホントにあった!」
韓国の2月だというのに妙なポカポカ陽気の下、ものすごく弛緩した家族連れがはしゃぎまくる奥にあるのが「同胞(キョレ)の塔」。高さ51m(笑)のオブジェは「広げる前の翼にも、合わせた手のようにも見え…」って別にいい?注釈。
光州の5・18のモニュメントもほとんど同じコンセプト。基本「自由は羽根」ということか。
あと、笑っちゃいけないけどこの国、いつも思うのだが狭い国土の割に国旗多すぎるんだよね。この広場の国旗も「なんでこの本数」。その先にある「キョレの家」と呼ばれる建造物…なんか相変わらずヘタクソな巨大彫刻を置いてあるだけの家なんだけど。天空に向かって伸びてくデザインのはずがものすごく重厚な屋根つけちゃってるもんだから狭苦しいの。この手の、主義主張のあるモニュメントを作らせるとなぜ突然“北朝鮮化”するのか不明だが、世界のお客様に向けているとしたらどうなんだこの出来は。小生、一応美術家なのでwコンセプトなんか見ればだいたい分かるんだけど…しかし、韓国で像見て(慰安婦像含む)「おお!」となったこと一度もないな。南北融和がもし成れば「万寿台創作社」に発注した方がいい。なんたって独立を象徴する大事な像なんでしょ。

「こんなはずだったの?」の巨大彫刻。こういうのは基本、共産圏に敵わない
ソウルにあるこぢんまりした博物館に比べて、田舎だからかやたら規模がデカいのも閉口。順路をず〜っと辿ってもこれといったウリになる“ならでは”の展示がなく、抗日・独立のような諸説アリ・玉石混交テーマで全域やるのはチョット無理があると思われ。一つ一つの展示が全然面白くないもんだから、結局家族で来て子ども遊ばせるだけのピクニックランド化してる。見ているとイライラするほど準備作業の遅い「3.1」イベント用の客席などでゴロ寝もできるよ(ポカポカでウトウト)。
ほぼ、ムードは伝わったかと。ここにマジで椅子攻撃等にビクビクしていく日本人や、展示に目くじらを立てて誤りを指摘する日本人なんて皆無だと思うが、むしろ問題は運営が「そういうもんだから」と言わんばかりに、展示写真や資料に全く日本語の注釈を入れていない事。基本ハングルしか書いていないんだから何をか言わんや。最初から誰に見せたいのか歴然で情けなくなる。
10数年前NYCに行った際、エンパイア・ステート・ビルから日本語の音声ガイダンスや翻訳キャプションが消えていてつくづく時代を感じたものだが、ここに関しては日本語マストで入れなきゃダメでしょ?ツッコまれたら反論できないような出鱈目書いてあるとしても。当事者国が小言言って悪いけど。
まあ、いこいで来てる家族たちは本当に幸せそうで微笑ましく、アクセス含め、徹底した「海外からのお客様なぞ知ったことか!」の姿勢、この際潔し。
結果、こんなド田舎の珍施設くんだりまで来て変な展示をつぶさに鑑賞してヘラヘラしながら、文句言ってくる外国人を探してる俺の態度が一番「反日的」か。
◉野磁馬
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